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2008年夏号(Vol.o38)/04


報連相は「やらない」でなく「できない」

〔 株式会社ワイズサービスコンサルティング 矢田 祐二 〕



 会社の業績や社員のモチベーションに大きな影響を与える報告・連絡・相談(以下、「報連相」)ですが、なかなか社内の報連相レベルを上げるのは難しいようです。
 報連相の重要性とその向上に向けての会社の取り組み方を以下にまとめました。

■報連相の重要性                   
 報連相の重要性は大きく三つあります。
@報連相により経営判断がされる:会社は適切な報連相がされることによって成り立っています。特に上司は、部下からの報告があって初めて仕事を進めることができます。また、経営層も現場からの率直な報告を経営に反映させています。報連相とは、組織にとって血液のようなもので、血の巡りがよくて初めて健康が保たれるものです。
A報連相が仕事の成果へ影響:仕事では、自分ひとりで実現できるものは存在せず、多くの人からの協力があって初めて可能となります。そのため報連相の上手下手が、仕事の成果に大きな影響を与えます。いくら専門的な技術がある人でも、報連相ができなければ会社では使い物にはなりません。
B社員のやる気:社員のやる気に影響する要因は、給与や仕事内容など様々なものがありますが、一番は人間関係です。上司や同僚そして顧客との間で期待される報連相がされて初めてよい人間関係(信頼)が作られます。そして、その報連相が仕事の成果につながり、周囲からの信頼につながると、ますますその社員のやる気は高まります。

■報連相への間違った認識                  
 まさに組織活性化や会社の生産性を高める鍵は報連相にあるといえます。そして、職場のストレスの多くはこの報連相に関するものです。「あいつは、ちっとも報告がない」「今どういう状況か、このメールからでは…」でも、少し考えてみてください。本人はその報連相をやりたくなくてそうしているのでしょうか。本当のところは「できない」のです。
 本人は、何をどう報告すればいいのか解っていない、つまり能力的に「できない」のです。会社組織には多くの利害関係者(上司・部下・顧客など)がおり、我々は、生まれてこのかた、社会に出るまでこれほど複雑な関係を持つことはありません。そして、社会で初めて報連相を求められます。
 「報連相は常識だ、わざわざ教える必要はない」という考えもあります。しかし、実際には、この報連相が自然に上達することはありません。
 報連相は「重要なもの」、「難しいもの」、「学びとるもの」、「やらない」でなく「できない」という認識を会社は(社員本人も)持つ必要があります。そして、会社として報連相を向上させる取り組みが必要になります。

■社内の報連相向上のアプローチ
@報連相の基本(法則)をみんなで学ぶ
ここでは詳しくは述べませんが、報連相にも基本(法則)があります。研修や書籍で報連相の目的やスキルについて体系的に学び、社内が共通の知識と認識を持ちます。
Aケーススタディで反復練習する
知識を得た後は、ケース(事例)を使ってディスカッションを行い学びます。報連相は「数学」の学び方とよく似ています。法則を学んだら練習問題で応用力を身につけます。
B日常の業務内での指導
出張時の帰社やクレーム対応など、上司は普段の業務のなかで報連相の改善点などを指導します。最初はその都度、何が良くて何が悪いかを明確にし期待も伝えます。「この連絡はありがたい。こういうことも報告してくれると助かるよ。」という具合に。

■報連相は「やらない」のでなく「できない」                   
 繰り返しになりますが、報連相は「重要」「難しい」「できない」ものです。よって報連相には「勉強」「訓練」「現場指導」が必要です。報連相のできている会社では、報連相のできる上司が「できない部下」に普段から報連相を教えています。一方、報連相のできていない会社では、報連相のできない上司が「やらない部下」に報連相を強要します。
 報連相は能力でありスキルであるという認識を持ち、指導することが必要です。



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