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2008年春号(Vol.o37)/03


雇止めの有効性について

〔 セントラル社労士法人 戸田 淳一〕



■雇止めとは               
 有期労働契約により雇用していたパート労働者等について、期間の満了により契約を終了することを雇止めといいます。雇止めについては、労働者の保護に欠けると考えられる事案や、労働者側の契約更新の期待などもあり、裁判で争われる事例も少なくありません。

■雇止めに関する基準           
 そのため、有期労働契約の更新・雇止めをめぐるトラブルを未然に防止する目的で、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」がH15.10.22厚生労働省告示第357条において発表されています。この中で、「有期労働契約(雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している場合に限り、また、あらかじめ契約を更新しない旨を明示している場合を除く)を更新しないこととしようとする場合には、少なくともその契約の期間の満了する日の30日前までに、その予告をすること。」とされています。
 では、有期労働契約を更新しないとした場合に上記の30日前までの予告をしたら雇止めが有効となるのでしょうか。

■雇止めの裁判例             
 雇止めに関する裁判例を見ると、
・契約の形式が有期労働契約であっても、反復更新の実態や契約締結時の経緯等により、実質的に期間の定めのない契約と認められる
・実質的に期間の定めのない契約とは認められないものの、契約更新についての労働者の期待に合理性がある
・格別の意思表示や特段の支障がない限り当然更新されることを前提として契約が締結されていると認められ、実質上雇用継続の特約が存在する
などがあり、こうした事案では解雇に関する法理「客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当として是認することができない場合には権利の濫用として無効」の類推適用により雇止めが認められませんでした。
 これらの裁判例からわかることとして、更新手続きが形式的または継続雇用を期待させるような言動・認識がある、業務内容が恒常的で(1回でも)契約の更新がある、と判断されると雇止め(契約の終了)とは認められず、解雇(一方的な労働契約の解約)とみなされますが、解雇の有効性の基準は雇止めの有効性の基準より厳しいため、雇止めが認められなかった解雇は、ほとんどの場合無効となります。

■雇止めの有効性             
 それでは、雇止めを有効とするにはどうしたらよいのでしょうか。
 契約の更新について、更新する場合、しない場合の判断基準を、その従業員に対して説明しておきます。パート労働法において「有期労働契約の締結に際して期間満了後における更新の有無、更新することがある場合には、その判断の基準」は書面による明示義務がありますので、「『契約期間満了時の業務量、労働者の勤務成績・態度、労働者の能力、会社の経営状況、従事している業務の進捗状況』を総合的に判断して更新をしない場合がある」のような判断基準を雇用契約書に記載し、更新は形式的に行なうのではなく面接等により行い、この判断基準を説明して、「雇用契約は必ずしも更新されるものではない」と認識してもらうことが重要となります。

■今後の課題               
 パート労働者を低賃金で切りやすい便利な労働力として軽く扱ってきていた会社が多数あるため、雇止めについての労使紛争は少なくありません。この状況を鑑みて平成20年4月より改正パート労働法が施行となり、非正規雇用労働者の労働条件改善が会社にとって喫緊の課題となっています。雇用の保証ができないと考える会社は、万が一の雇止めを有効とされるように先に触れたような準備をしておくことが重要となります。会社の業績次第でいつでも辞めてもらうといった考え方は、パート労働者等を不安定な立場に置くこととなり、ひいてはモチベーションの低下を招くこととなります。パート労働者等が安心して働ける職場作りを行なっていくことが、結果的には会社の業績の向上にもつながっていくのではないでしょうか。



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