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2007年新年号(Vol.o32)/04


強い組織の条件『自立型人材』 

〔 (株)ワイズサービス・コンサルティング 代表取締役・組織コンサルタント 矢田 祐二 〕



■強い組織には、自立型人材が多い                    
 強い組織の特徴として、そこにいる人材の一人ひとりが強いことが言えます。弱い組織はその逆で、そこにいる一人ひとりが弱いのです。
 強い人材とは、『自分で考え、責任をもって行動ができる人』すなわち、自立型人材を指します。この自立型人材を採用し育成できることが、強い組織の条件だといえます。

■自立型人材と依存型人材の特徴                    
 自立型人材の特徴としては、

@自己依存−他人や環境に頼ることなく、すべての始まりは自分であると考え、まずは自分が考え自分で行動します。
A自己管理−仕事の目的を理解し優先順位をつけ、自分の行動とやる気をコントロールします。
B自己責任−問題や失敗を転嫁せず、自分自身の原因を考え、自己成長の機会にします。

 この反対の人材が、依存型人材となります。

@他者依存−他人や環境の変化を期待する。他人の指示を待ち、環境で自分の行動を決める。
A他者管理−人から支持されたこと、できることしかやらない。基本は、自分は楽をしたい。
B他者責任−問題の原因は他人や環境にあり、それが変わればうまくいくと考える。問題に対しては、逃避・無視・見えない振りをする。

 依存型人材の頭の中は、いつも「相手が自分に何をしてくれるか。」というように問題を自分の外に置きます。これは、その問題の解決さえも自分の外に投げ出すことですから、依存型人材の多い組織が良くなることはありません。

■依存型人材の多い組織で観られる現象         
 依存型人材の多い組織に観られる現象があります。それは、依存型人材の行動により、組織内の信頼関係レベルが低くなっていることです。

●誰も責任を取ろうとせず、責任を曖昧にする。
●自分以外の人の仕事には興味を示さない。
●新しいこと・挑戦することに拒絶感を漂わす。
●ルールや約束事、そして、その根拠やデータを強く求められることが多い。
●チェック表やマニュアルが多くなる。

 これは、お互いの信頼関係レベルが低いために、約束がなければ仕事が進まないという状況になるからです。そして、経営上の課題として、セクショナリズムや退職者増が表出することになり、これらには「コミュニケーション」や「人間関係」といったそれらしい理由が付けられ、通り一遍の対策が取られがちとなります。

■人材の基準に「自立か、依存か」                    
 これらの課題を解決する、または未然に防ぐためには、自立型人材を採用することと育成することにより、依存的要素(考え)を組織に発生させないことが重要となります。そのためには、人材の評価軸として「自立か、依存か」を持つことが第一歩となります。そして、その一貫した基準により、評価・採用・教育を進めます。それにより、組織内の自立型人材が多くなり、強い組織となることができます。

■教育は自立型の見本を見せること                    
 教育の第一歩は、その基準を社内の共通認識とすることから始めます。組織にとって自立型の行動は正で、依存型の行動は悪であることを明確にします。依存型人材は自分が依存型という自覚がないため、それに気付いてもらうだけでも大きな改善が期待できます。その後は、組織の上層部が、自立型人材の見本となり続けることです。上層部のメンバーがお互いに協力し社内外に信頼関係を築くことに努めれば、それを見習い社員は自立型人材へと育っていきます。逆に、上層部が「環境が悪い」「あいつが・・・」という具合に依存的であれば、依存型へと育っていきます。「子を見れば親がわかる」という言葉がありますが、教育の基本は見本にあります。

■中途採用者の基準           
 人材の採用、特に中途人材の採用では、この基準を重視する必要があります。経験を持つ自立型人材は即戦力ですが、経験を持つ依存型の人材は「前の会社はこうだった」「こうしてくれれば・・・」という具合に即害力になります。自立型人材を新たに採用すれば、その分組織力は向上します。依存型人材を採用すれば、その分組織力の低下を招きます。
 「仕事はチームでするものだ」という考えもありますが、それは、あくまでも自立した人材同士が協力し合っての話です。依存型人材が混在すれば、その組織の弱体化が進みます。



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