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2006年夏号(Vol.o30)/01


仕事の心構え(2)

〔 タオ クリエイティブ 代表 加藤 雅晴 〕



(2)仕事のやり方を絶えず工夫する
仕事の中には、日常的なルーチンワークや単純な仕事から、創意工夫が要求される非常に複雑な仕事など色々な種類の仕事がある。特に、ルーチンワークや単純な仕事では、仕事のやり方を工夫する余地は少ないかもしれない。しかし、こういった仕事に対しても絶えず工夫を心掛けていると、新しい仕事のやり方が見えてくることがある。

ある商社の話である。
新入社員が、入社早々毎朝上司の机に10紙程の新聞を配るよう命ぜられた。大卒の人間にとって、馬鹿にされたような仕事であったが、業務命令とあれば、これも仕方がない。毎朝毎朝、同じ仕事を繰り返していたが、たまたまある新人が、上司が、重ねられた新聞紙の中から、読みたい新聞紙を探して読み始めるのを見た。

これを見たその新人君、はたと気づき、翌朝から、新聞紙の見出しが見えるように新聞紙を少しづつずらして机の上に置くようにした。これを見た上司は、あいつは気がきく奴だとその新人君を評価したそうな。そして、その新人君は、もっとまともな新しい仕事を与えられたという。

新聞紙を上司の机の上に並べるという単純極まりない仕事にしても、工夫の余地はあった訳である。もっとも、上司によっては、こういう気配りを評価しない人もいるかもしれない。そのときは、直ちにそれをやめて元の通り、きちんと揃えて机の上に置くことがもう一つの工夫と言えるかもしれない。

こういう工夫は、自分が相手の身になって、こうされたら嬉しいなと感じることにより、思いつくものである。また、こういう工夫を上司がどう評価するかにより、上司の力量やら、感性を把握することもできる。

些細なことかもしれないが、仕事はこういう些細なことの積み重ねであり、こういう行為の積み重ねにより、人は成長していくのである。常日頃から、工夫を重ねている人と重ねていない人では、数年後には大きな開きが出てくるものである。

単に言われたことをやるだけでは、上司から強制されたことになり、仕事は面白くなく、身が入らない。しかし、ちょっとした工夫でもそれを行うことにより、自分の仕事となり、仕事をした達成感や喜びが感じられるのではないだろうか。仮に工夫の余地がない仕事であっても、工夫してみることは大切であると思う。

仕事は、他から与えられたものであり、それを自分の仕事にするかしないかは、仕事に自分のオリジナリティを入れることができるかどうかにかかっている。仕事にオリジナリティを入れる第一歩が、仕事のやり方を工夫するということである。

(以下続く)

加藤雅晴氏略歴:ソフト会社役員を経て、今春から大学講師として『情報倫理学』を教える。



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