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■経営理念とは
経営理念とは、「この会社は、社会及び社員との関わりのなかで、何をし、何のために存在しているのか」ということについての基本的な考え方を示したもので、永続性、普遍性そして独自性(存在意志の表出)を持ったものです。
別の表現をすると、経営理念は、社会及び社員との関わりのなかで、何に貢献するために存在する会社なのか(存在意義)、どのような価値観をもってどのような価値を提供する会社なのか(行動理念)といった、会社のミッション(使命)を表したものです。
従って、正しい経営理念が根底にあってこそ、経営資源が真に生かされることになり、力強い経営が可能となります。つまり、経営に魂や人格が入り、躍動感が生まれます。経営理念は、会社内部に深く浸透し、全ての活動に深く影響を及ぼす「遺伝子」のようなものです。但し、その「遺伝子」が生きて働く、つまり機能しなければ、真の経営理念と言うことはできません。額縁に入れて飾ってある安物の絵に成り下がります。
また、経営理念自体の質や格により、会社の成長レベル・成長可能性が決定付けられます。優れた経営理念は、科学に裏付けられた「社会性(公共性、公益性、公器性)」と「人間性」を帯び、成長無限性を感じさせます。
■有名企業の経営理念
高邁な経営理念があれば成功するとは限りませんが、成功する会社には、必ず明確な経営理念が存在します。
京セラの経営理念は「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」とあります。この言葉には、人を大切にとの思いが込められ、人の心をベースに経営を行うという稲盛和夫さんの企業哲学が表れています。
ホンダの基本理念は「一、人間尊重 二、三つの喜び(買う喜び、売る喜び、創る喜び)」とあります。三つの喜びのうち初めの「買う喜び」は、会社に対して判断を下すのは消費者その人であることを意味し、本田宗一郎さんが社会性を強烈に意識していたことが分かります。
ウォルト・ディズニーのミッションは「・何百万人という人々を幸せにし、健全なアメリカの価値観を讃え、育み、広める ・ディズニーの魔法のイメージを徹底的に管理し、守る ・創造力、夢、想像力を活かして絶えず進歩する」となっています。このミッションが現場レベルまで落とし込まれているのは、ディズニーランドをみると良く分かります。
■経営ビジョンとは
経営ビジョンとは、経営理念をベースにし、夢、願望、理想といった、実現可能性が不透明な部分も含め、10年先、20年先の近未来のあるべき姿を想い描いたものです。
通常、経営ビジョンには、事業ドメイン(事業領域)、会社のポジション(業界での地位、規模、大まかな業績目標等)、達成期間の三つが盛り込まれます。つまり、こういう会社になりたいという願望のアウトラインを、キーワードと大まかな目標数字で社員に提示したものです。
経営ビジョンを具体的に計画化したものが中長期経営計画で、この計画を立てて初めて、経営ビジョンの実現可能性を社員に明確に示すことができます。
経営理念が時代や環境の変化に関係なく、会社の行動全体に永続的かつ普遍的に浸透していくのに対し、経営ビジョンは、環境や社会、市場の変化により柔軟に変えていくものです。
■最後に人材開発へ
経営理念は社員に遺伝子を与え、経営ビジョンは社員に夢を与え、経営計画は社員に力(ヤル気)を与えます。経営計画の中で、何を、どのように、いつまでにやるのかという具体的な方向付けをし、社員のベクトルを一定方向に合わせ、社員の力を引き出す。これこそが人材開発の考え方と方向性のベースとなります。 経営理念から人材開発までが一本で貫かれてこそ、会社の心技体が一つとなります。
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