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■「組織化する」という目的と組織が崩壊する時の状態を確認し、同質化の問題を掘り下げたいと思います。
■「組織化する」目的は、大きく以下の二つのことがあげられます。
@分業による効率化
A規模による安定の追及
@の「分業」とは、組織のメンバーがそれぞれ得意・専門分野を担当し、そこで実力を発揮することにより効率化を進めようということです。これは、担当制や部署制にあたり、どの会社でもやられていることで、組織の根本的な力の源泉となるものです。
Aの「規模」とは、組織のスケールやシェアのことをいいます。スケールでいえば、社員5人と社員1000人の会社、資本金300万円と資本金1億円の会社では、どちらの企業が、安心して取引ができるかを考えれば、やはり後者と答える方が多いことでしょう。そして、その事業領域でシェアを大きく得ることは、その市場でのスタンダードなどの主導権をもつことになります。
これらの規模の理論は、その組織に、仕入値や納期の交渉を優位に進める、流行を作り出すなどの、外部に対しての影響力を与えることとなります。これが「組織化する」目的Aの「規模による安定の追求」ということであり、『外部環境に対し影響力をもつ』ということです。
組織化の目的とは、「分業により効率を高め、規模を大きくし外部環境に影響力を持つ」ということになります。
■では、組織が順当に分業を進め規模を大きくし、環境に対し影響力を獲得したとします。それどころか、支配力ともいえる力を手に入れたとします。そのとき、組織はどうなるのでしょうか。
その過程で、組織は徐々に大きな病に犯されることになります。この病は、「社員に覇気がない」「無難なことばかりする」などの大企業病という総称で呼ばれたりします。または、「成功体験におぼれる」「胡坐をかく」のような言葉にも表されます。
これは、『環境への影響力や支配力を強める』という「組織化する」目的を達成した一方で、『環境への適応能力』を失ったためだといえます。
環境(マーケット)や顧客に適応能力がない企業は、当然、淘汰される運命を辿ります。
『組織は、環境を支配するために活動するが、環境適応能力を失うときに、崩壊する。』
組織化する目的と組織の崩壊の状態をみると、相反することを言っているようです。
環境との戦いに勝てば、組織は拡大し組織の病を誘発するが、組織の拡大をためらっていれば、環境との戦いに負けることになります。これが組織の本質であるといえます。
■保全同質化(人材の構成比が保全型人材に偏る)という状態は、上記のような内向きになった組織や環境変化に鈍感になった組織で多く見られる状態です。
保全型人材の強みである『維持・協調・管理』という組織の安定化に必要な力が、「拡大を求めようとしない」「内向きになる」などの、環境適応能力にとってマイナスの力となってしまうのです。これは、『安定する』という保全の力が強くなりすぎた結果だといえます。
保全同質化が組織の病理となりえる最大の原因は、ここにあります。保全風土や保全同質化の体質は、組織の病理との相性がすごくいいのです。
組織は、病理に強い健康な体質を保つことが要求されます。それは、攻守のバランスが取れた人材構成であり、風土であるといえます。人間の体同様、年をとれば崩れてくるものであり、活力を保つためにはそれなりの努力を必要とします。
『盲目的な変革には危険があるが、それよりももっと大きい危険は盲目的な保守主義である。:ヘンリー・ジョージ』
参考文献:サバイバル経営学 坂口大和著
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