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2004年秋号(Vol.o23)/03


ビジネスモデルと人材モデル

〔 セントラル社労士法人  内堀 克俊〕



■バブル経済の前と後では、経営環境が大きく変わりました。経営環境が変われば、当然経営方針も変わるはずですし、経営方針が変われば、必然的に人事方針や人材モデルも連動して変わらなければいけません。
このような着眼点と問題意識をもって、この10数年間を過ごして来た企業と、日々の経費削減やリストラにエネルギーを費やして来た企業では、今日大きな差となって表れています。

■企業戦略においてもさまざまな認識の仕方がありますが、人材モデルとの調和の中では、企業戦略そのものを簡潔に3タイプに分類することができます。
 企業戦略の3タイプとは、効率重視型、開発重視型、顧客重視型の3つです。
 効率重視型とは、簡単に言えばコストとスピードを最も重視するスタイルです。このスタイルは、規律と統制が非常に大切になり、鉄の規律に耐えつつ経営方針を周囲に強力に推進できるリーダーと、リーダーに忠実に従うスタッフによるチームワーキングで組織と個人の自己実現を達成していくものです。当然ながら、システマティックな目標管理や業績評価が重視され、また、それが可能な組織風土を持っています。
 開発重視型とは、スタッフ個々人の自由を尊重するスタイルです。組織編成は規律統制の維持でなく緩やかな集合体のスタイルを取り、スタッフ自ら考え、自由な発想で付加価値を創造できる組織風土を持っています。このスタイルでは、スタッフ個人の成果を必要以上に追及しません。というのは、緻密に評価することが付加価値の創造にとって大きな阻害要因となるからです。
 顧客重視型とは、ひとり完結型の業務運営スタイルです。目の前の顧客の満足のために、担当業務のプロとして、全人格をもって、ほとんど一人で自らの責任で判断を下し、自律的に行動する組織風土です。そこでは、顧客重視のもと、提供するサービスがルールに合っているかとか先例があるかなど、いちいち上司にお伺いを立てたりしません。

■このように、企業戦略に合った人事システムと人材モデルを考慮せず、次のような間違いを犯していないでしょうか。
 たとえば、効率を最も重視しているにもかかわらず、一般社員に世間一般に求められる協調性を超えて自由や創造性を強制しても、なかなかしっくりいきません。新規事業を立ち上げるのなら、本来業務と切り離してトップ直轄のプロジェクトチームを編成しない限り、成功する見込みは薄いといえます。
 また、開発を重視している企業が、研究開発プロセスを厳密な計画及び統制の下に置こうとして、詳細な目標管理による成果主義を採用しても、労多くして成果は出ないといえます。創造的商品開発を重視しているのに統制管理能力が昇進昇格に必要とするなど、ちぐはぐな状態で推進していっても、成果が出ないどころか、自社の強みを損なうことにもなりかねません。
 顧客を重視しているにもかかわらず、べからず集のような規則やルール・マニュアルを徹底しても、顧客自体は気まぐれかつ千差万別のため、妙な具合になってしまいます。

■技術のデジタル化、規制緩和による自由化、そして市場の成熟化など、時代の変化とともに外部環境が様々にかつ劇的に変わるなか、自社の儲かる仕組み(ビジネスモデル)の開発に関しては、各社各トップが日夜取り組んでいると思われます。
 自社の儲かる仕組み(ビジネスモデル)に合わせて自社の求める人事システムと人材モデルを軌道修正し、採用から能力開発に至るまで全て連動したかたちで、この時代に自社に貢献できる人材の発掘及び開発に経営資源やエネルギーを集中することが肝要です。



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