|
■適材適所という言葉に見られる通り「適した材料を選び、適した所に使う」ことが経営の効率化を求めるという上で、避けては通れないことです。そして、この問題を抱える企業は依然多いようです。
この問題の解決のお役に立てればと考え、今回は、人材を考えるときの基本的な分類の仕方とその人材の活かし方のお話をします。
■人材のタイプ(個性)を分類すると、大きく2つに分けることが出来ます。「たった2つ!」と、複雑に考えたがる人からは物言いが入りそうですが、基本的には2つの分類で企業が抱える人材に関する問題の多くが説明できます。
人材のタイプは、大きく分けると拡散型と保全型の2つに分けることができます。
拡散型のタイプは、創造力や行動力があり、積極的に攻めに行こうとする人材です。例えれば、狩猟移動民族型といえます。弱みは、持久力や協調性を求められる守りの行動を苦手とします。
一方の保全型のタイプは、几帳面で持久力があり、協調性のある守りに適した人材です。こちらは、農耕民族的といえます。弱点としては、行動力や創造性を必要とする攻めの行動を苦手とします。
お気づきの通り、この拡散型と保全型のタイプの特徴は全く対極的であり、どちらがいいとか、どちらが不要なのかというものではなく、どちらのタイプも企業には必要といえます。
拡散型と保全型とは、本来相互依存の関係にあり、目的により組み合わせも考えていく必要があります。このお話は、次回以降にと考えています。
■適した仕事とは何かを考えて見ましょう。
人材の持つ拡散か保全かという特徴には強弱があるものの、人は必ずやどちらかの特徴を持っています。しかも、この特性は先天的に決まるものであり、教育や本人の努力で変わるものではありません。「経営の効率化を求める」という使命をもつ経営者や管理者としては、この特性を活かすことを考えることは当然のことです。
拡散型の人材であれば、行動力と創造力に強みがあり、営業なら企画提案型や新規顧客を狙う担当がいいでしょう。商品開発なら、全く今までにないコンセプトの新商品を開発するのもいいでしょう。
保全型の人材は、几帳面に維持していくこと、管理することを得意とします。営業なら、ルート営業や既存の顧客に対し、細やかな対応と人間関係を重視した付き合いを行い、掘下げと紹介を狙っていくのがいいでしょう。商品開発なら、今ある商品の改善を行い、より良いものを作る。または、少しでも収益を上げるためにコスト管理や品質管理をするのもいいでしょう。
これを、全く反対のタイプに担当させるとどうなるのでしょう。拡散型の人材は、事務所で悶々として会計処理を行い、保全型の人材が営業で飛込みや企画の提案をする。
結果は知れたことで、拡散型の人材は単純なミスを繰り返し、保全型の人材は日報上だけの仕事を創りあげたり、最悪の場合はうつ病の手前まで追い込まれることもありえる話です。
■苦手な分野で、頑張って結果を出すことは、得意の分野で結果を出すことの数倍の努力と忍耐を必要とします。ましてや、本人はその仕事に対し、心の底から「これ、やれるぞ」とは思えないし、やる気も起きるはずがありません。
日本の企業には、苦手な分野で頑張らせて人を育てようとする傾向がありますが、これはものすごく不自然であり、不効率なことです。
会社や上司がその人間の個性を理解し、適正な仕事を与える。この当然の業務を怠け、社員を「やる気がない」「能力に欠ける」と評価するのは、いかがのものでしょう。少なくとも、本人のやる気や効率を阻害する原因に、会社側や上司がなることだけは、避けねばなりません。
|