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■「労働時間」とは、一般的な意味で使う場合もありますが、会社の中で使う場合は労働基準法が関係してくるため、まず初めに労働基準法でいう「労働時間」から考えてみたいと思います。
■労働基準法上の労働時間とは「労働者が使用者に労務を提供し使用者の現実かつ直接的な指揮命令に服している時間」をいいます。
では、労務の提供のために現実かつ直接的に指揮命令を受けている場合でも、いわゆる手待ち時間などのように実際に作業をしていなかったらどうでしょうか。この場合でも、たまたま作業をしていないだけであって、やはり労働時間になります。
逆に、休憩時間や始業・終業時刻の前後の自由時間などは、使用者の拘束下にある時間ではありますが、労務提供のための指揮命令は受けておらず、労働から解放されているため、労働時間になりません。
■ここで、もう少し詳しく労働時間と拘束時間を見ていきましょう。
まず、拘束時間は次の3つに分かれます。
@労働時間−使用者の直接的な指揮命令下で労務を提供している時間
A休憩時間−労働時間の途中で権利として労働から離れることを保障されている時間
B構内自由時間−労働時間の前後にある自由利用時間または出張中の乗車時間等
労働時間も次の3つに分かれます。
@実作業時間−現実の指揮命令下に実際に作業に従事している時間
A手待ち時間−現実の指揮命令(作業体制)下におかれ、就労のために待機している時間
B準備・整理期間−作業に必要不可欠な準備及び整理時間で、かつ使用者の指揮命令下にある時間
■労働基準法上の労働時間・拘束時間の概念以外に、会社では就業規則の中で会社の労働時間を定めています。就業規則は、個別の労働契約の中の共通的包括的な部分を定めた、一種の契約書です。労働基準法で定められた労働時間を「法定労働時間」というのに対し、就業規則の労働時間は、会社と労働者が同意の下に契約した労働時間という意味で「所定労働時間」と表現されているはずです。
会社は、労働基準法に反しない限り自由に労働時間を定めることができるため、大半の就業規則では、労働時間を、労働契約上労務提供を約束した契約労働時間をもって取り扱っています。従って、始業時刻から終業時刻までの形式的な意味の労働時間をもって就業規則上の労働時間としています。
■このように、労働時間にも労働基準法上の労働時間と就業規則上の労働時間があるように、労働時間の起算点・終了点にも「労働基準法上の起算点・終了点」と「就業規則上の起算点・終了点」があるということです。
労働基準法上の起算点は、労務提供のため使用者の指揮命令下に入ったと認められる時点から始まり、それから離脱する時点で終了します。
一方、就業規則上では、会社と社員が始業・終業時刻として労働契約上定めた労務提供義務の開始および終了時点をいいます。
たとえば、タイムカードを打刻してから、始業時刻になり実際の業務を開始するまでの間を自由に過ごすことができるとした場合、次の2通りが考えられます。
@就業規則に「始業時刻とはタイムレコーダーを打刻した時とする」とした場合、業務開始という実際の指揮命令下にいなくても、打刻時刻が労働時間の起算点となります。
A就業規則に「始業時刻10分前までにタイムカードを打刻すること」と両者を区別した場合は、打刻時刻でなく、始業時刻が労働時間の起算点となります。
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