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長時間労働と責任
【長時間労働により問われる会社の責任】 (2007年8月16日のブログ記事より)

 最近、長時間労働などの過重労働に起因する脳、心臓疾患などの健康障害、特に、いわゆる過労死や過労自殺が社会問題になっています。
 労働者に長時間労働などの過重労働によって健康障害が生じた場合、業務上災害として、被災者またはその遺族には、労災保険から所定の補償給付が行われます。

過重労働と判断される労災認定基準
 時間外労働が月100時間超又は2〜6ヵ月平均で月80時間を超えると認められる場合

 では、この場合、労災保険からの給付だけで済まされ、会社の責任が問われないかというと、そうではありません。

会社の責任として問われる内容
 @法令違反の罰則
 A民事上の賠償責任

 まず、会社に各種法令の違反があった場合には罰則が適用されます。
 例えば、時間外の協定を締結していない場合や割増賃金を支払っていない場合は、労働基準監督署からの協定の提出及び割増賃金の支払い命令はもちろんのこと、労働基準法違反として6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
 それに加えて会社は、被災者またはその遺族から、多額の損害賠償を請求される可能性もあります。これは会社の安全配慮義務違反に対しての損害賠償請求です。

安全配慮義務とは
 使用者が業務の遂行に当たり、労働者が生命・身体や健康などを危険から守るように配慮する義務をいい、この義務は、労働契約に付随する義務として使用者が当然に負うべきものとされています。

 会社が労働者の長時間労働などについて何の対策も講じず、その長時間労働などが原因で、労働者が脳・心臓疾患を発症した場合や、精神障害を発病したり、それにより自殺に追い込まれた場合、会社は安全配慮義務違反として、損害賠償義務を負うことになります。

安全配慮義務違反の裁判所の判断基準
 @労働者の死亡または障害と業務(長時間労働)との因果関係
 A長時間労働などによる死亡または障害の危険を会社が知っていたか、あるいは知り得る状態にあったかどうか
 B会社が業務の軽減など危険回避のための適切な処置をとったかどうか

 したがって、会社としては労働者の時間外労働などの勤務状況及び健康状態を正確に把握(予見義務)して、それにより場合によっては、業務の軽減、他の部署への配置転換など適切な対応(回避義務)が必要とされます。
 また、安全配慮義務は上記の精神衛生面だけでなく、もちろん、生命・身体への直接的危害からの安全も義務づけています。
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