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雇用調整・リストラ・整理解雇
【T】 雇用調整フローチャート

必要性の分析
今の状況・将来見通しを分析の上、財務体力をチェック
■収益性 ■安全性 ■成長性 ■生産性

現行人事労務環境の点検
■就業規則 ■雇用契約 ■労使協定・労働協約 ■早期退職優遇制度
■休業制度 など

合理化計画(非雇用分野のリストラ対策、人員整理回避策)
■経営方針見直し ■経営陣変更 ■経営資源再配置 ■不採算部門整理
■営業権譲渡 ■M&A ■遊休資産売却 ■経費節減 ■生産性向上 ■内製化
■金利減免 ■内入猶予(金融支援) など

雇用分野のリストラ対策
■組織変更・定員見直し ■役員報酬カット ■管理職減員
■管理職の賃金カット ■管理職給与規制 ■休出・早出残業規制
■一般社員の賃金カット ■欠員不補充
■非正規社員化 ■外部化 ■新規採用・再雇用の中止 ■昇給賞与の停止減額
■配置転換 ■出向 ■転籍 ■一時帰休 ■給与(制度)の見直し など

雇用量の直接的な調整対策
■非正規労働者(パートバイト、契約社員、再雇用者など)の契約更改中止(雇い止め)
■非正規労働者(パートバイト、契約社員、再雇用者など)の契約期間途中解雇
■派遣社員の契約更改中止■派遣社員の契約期間途中解約
■早期退職制度の活用(適用範囲の拡大、退職促進策・・・軽い肩たたき)
■希望退職者の募集(予定者リストの作成、目標数字の設定)
■退職勧奨の実施(基準:年齢、賃金額、人事考課、勤務態度)
■指名解雇・整理解雇(基準) ■内定取り消し など


【U】 希望退職の募集と勧奨退職と指名解雇

希望退職の募集
1.募集時期、募集人数、募集対象者
2.退職金の割増条件の設定(30〜34才+40%、55〜57才+15%、58才+10%、59才+5%)
3.退職勧奨実施の可能性の告知
4.募集後の指名解雇実施の可能性の示唆
(例)
@募集:1日〜14日、その後退職勧奨、その後指名解雇
A一次募集:1日〜14日、二次募集:15日〜30日(この間に積極的に退職勧奨)
  その後指名解雇
  ※一次募集の際の条件を二次募集より良くすることで一次募集の効果を高めることが   できる。
   ※一次募集で集まらなかったときに二次募集するなら、二次は条件を良くする。

・従業員30人程度の会社だと、残ってもらいたい従業員が希望退職してしまうと、会社の存続自体が危なくなるため、希望退職の募集も難しい。この場合は、あらかじめ逆肩たたきをしておくか、はじめから退職勧奨や指名解雇をすることも考えられる。
・割増条件に魅力がないと一人も応募がなく、時間の浪費となり、過剰雇用は解消されず、日一日と不安定になる。また、会社の態度や方針に不信感をもち、労使の溝ができる。

勧奨退職
・1回につき30分まで。同一条件なら3回まで。会社の施設で就業時間中に行う。

希望退職と勧奨退職の関係
・希望退職・勧奨退職は、解雇のように一方的なものでなく、いわゆる「合意解約(双方合意のもとで雇用契約を解除)」のため、本人の個別合意の証しを残すことができる。
・希望退職の募集は、消極的に従業員の応募を待つのに対し、退職勧奨は積極的に従業員に退職の動機づけを行う。
・希望退職と勧奨退職は、会社が恣意的に行うことができる。但し、希望退職・勧奨退職で予定した人数に到達しなかったときは指名解雇または整理解雇しなければならないため、合理的な整理解雇基準を想定して勧奨退職を行う。
・人数が多いと、希望退職が収拾つかなくなる可能性があるため、場合により、始めから退職の勧奨を行った方がいい。
・勧奨退職の前に希望退職を募集する。
・両者とも、会社都合退職金の上乗せを提示する。

指名解雇
・勧奨退職後に行い、整理解雇に近い意味合いとなるため、人選は合理的な基準と合理的な人選が必要となるため、整理解雇の基準を想定する必要がる。退職勧奨拒否者=指名解雇対象者とは必ずしもならない。


【V】 整理解雇の4要素

以下の4要素を総合的に勘案して、解雇権の濫用に当たるか判断される。

1.業務上の必要性
 客観的にみて人員整理を行う必要性の度合いで以下の3つのパターンに分かれる。

 @倒産回避型
   倒産の危機に瀕していて緊急性を要する状態で、会社の維持存続を図るために行う。
 A危険予防型
将来経営危機に陥る可能性があり、その危険を避けるために、今から将来の経営危機を予防するために行う。
 B採算向上型
   将来的にも経営危機に陥る危険はないと予想されるが、採算性の向上を図るため に行う。

⇒ここがポイント!
これは、極めて経営的な判断となるため、人員削減措置と同時期に多数の新規採用や大規模な設備投資、大幅な賃上げ、高率な配当など矛盾する経営行動が取られない限り、原則として経営者の判断が尊重されるべきもの。また、企業規模が小さいほど、会社に認められる裁量の余地は大きくなる。

2.整理解雇回避義務
 他に整理解雇を回避する可能性はないか。また、会社は整理解雇を回避する努力がなされたか。(別添参照)

 @倒産回避型の場合
   解雇回避措置は軽度なもので足りる。
 A危険予防型の場合
   配転や希望退職の募集を行えば、いちおう解雇回避努力を尽くしたと評価できる。
 B採算向上型の場合
   緊急性が全くないため、最大限の解雇回避措置が要請される。

⇒ここがポイント!
・解雇回避努力の量や程度は、@企業規模A従業員構成B経営内容C緊急度 を勘案して、個々の会社ごとに「相当な経営上の努力」ないし「合理的な経営上の努力」を尽くしたかで判断される。
・「賃下げ(ほぼ全員の同意)」や「一時帰休」は、実行する時間的余裕がなければできない。
・「一時帰休」や助成金受給を解雇の前に必ずしなければならないわけではない。

3.整理解雇基準の合理性
 @整理解雇基準があるか
A基準に合理性があるか
  a)密着度が低い:雇用形態において会社への帰属性が低い者、雇用の調整弁的な者
     パート>常用的臨時工>正社員
b)貢献度が低い:企業再建維持のために貢献することが少ない者
        能力や人事考課の結果、出勤率、スキルなどで判断
   ・平素の勤務状態の劣悪な者
   ・集団生活に不適格な者
   ・病弱その他の事情で職務遂行に支障がある者
   ・交通事故多発者又は重大事故を惹起したことのある者
   ・懲戒処分を受けたことのある者
   ・会社業績に貢献度の低い者
   ・職場秩序を乱す者
      (以上、昭和44・9・19東京地裁判決 近鉄大東京観光バス事件より)
   ・勤続年数が短い者
c)被害度が低い:解雇しても生活への影響が少ない者
   ・他にも収入がある者
   ・共稼ぎの者
   ・扶養家族がいない者
   ・転職できる可能性が高い者(貢献度高い者は再就職しやすい矛盾は残る)
B基準の適用に妥当性・公平性があるか

⇒ここがポイント!
・裁判において対象者の選任について争われれば、その選任理由の合理性について立証しなければならないため、主観的なものが入り込まない、客観性、具体性の高い基準を設定する。
 ・理論的には、まず密着度で判断し、次に貢献度で判断し、最後に被害度で判断するのが合理的。

4.社員側との協議及び説明
 以下のことに関して、理解や同意を得るために誠意をもって協議したか。また、誠意をもって充分に説明したか。協議期間は3ヶ月程度をかける。
  ・整理解雇の必要性
  ・整理解雇回避努力の実行状況
  ・整理解雇基準の合理性の説明

⇒ここがポイント!
この他、時期・規模・方法について納得を得るための説明を行い、誠意をもって協議すべき信義則上の義務がある。義務を果たした結果、従業員側と妥結できずに解雇した場合は、解雇権の濫用にはならない。
また、退職後の保険関係(失業保険・健康保険・年金など)について説明会を開くことは、会社の誠意を示すことになる。?


【W】 整理解雇4要素の具体的な解雇回避措置フローチャート

広告費・交通費・交際費などの経費を削減する

役員報酬をカットする 管理職手当を削減する

休出・時間外労働を中止する 新規中途採用・再雇用を抑制する 内定を取り消す

正社員の昇給を停止する 賞与の支給を抑制・削減する 賃下げする

組織変更 定員見直し 管理職減員

配転やグループ企業への出向・転籍により余剰人員を吸収する(中小は難しい)
非正社員化する 外部化する

労働時間を短縮する 一時帰休措置を取る

派遣契約を解除する(契約不更新、期中解約) 下請け企業を整理する

特殊雇用形態者(非正規従業員)の雇用契約を解消する(雇い止め、期中合意解約)

早期退職制度を活用する(適用範囲の拡大、退職促進策)

希望退職を募る(退職勧奨をからめる、あるいは退職勧奨主導で進める)

最後に整理解雇を実施する

・・・   整理解雇 > 賃下げ > 一時帰休(休業) ・・・ 右ほど緩やか


【X】 整理解雇と賃下げ

人件費削減策としてどちらを優先すべきか。法の原則からいうと整理解雇が優先されるべきといえる。理論的にも、労働条件の不利益変更である賃下げは、原則として過半数労働組合または大多数の従業員の同意が必要となるため、会社の自由な意思で最終的に実施できるのは整理解雇となる。

過半数組合があれば、両方を提示し、選択を委ねる。両方とも拒否したら、一方的に整理解雇を実施することになる。


【Y】 一時帰休(休業)の休業手当について

年平均月所定労働日数が20.5日の場合、休業手当60%は、実質でいくとおよそ59%のダウンとなる。
控除日額=30万÷20.5日=14634円
 平均賃金=30万÷30.0日=10000円
 休業手当=10000円×0.6=6000円
 6000円−14634円=−8634円(8634円減額)
 6000円/14634円=0.41

・年平均月所定労働日数が20.5日の場合、休業手当60%は、実質でいくとおよそ59%のダウンとなる。
控除日額=30万÷20.5日=14634円
 平均賃金=30万÷30.0日=10000円
 休業手当=10000円×0.6=6000円
 6000円−14634円=−8634円(8634円減額)
 6000円/14634円=0.41

・休業手当60%は、労基法上の最低保障しなければならない率を示したものにすぎず、会社が従業員の労務提供を受領する義務があるところを拒否するわけなので、本来は100%支払わなければならない。もし個別同意によらず60%しか払わないとすると、100%との差40%は、民事上の不履行債務として残る。

・会社の都合により休業しなければならなくなった場合、会社は労働基準法第26条の規定により、休業期間中について従業員に平均賃金の6割以上を休業手当として支払わなければならない。
この場合の「休業」とは、従業員が雇用契約に従い労働の用意をなし、しかも労働の意志をもっているにもかかわらず労働を拒否されたか、労働の提供が不可能となった場合をいう。
また、民法第536条第2項でも、「債権者(会社)の責による場合は債務者(従業員)は反対給付(賃金の全額)を受ける権利を失わない」として、従業員は賃金の全額を請求する権利があるとされており、労働基準法第26条の規定と民法第536条第2項の規定は競合することになる。
しかし、民法の規定は、当事者の合意でその適用を排除することができる任意規定であり、従業員の保護には不十分なため、労働基準法では、「会社の責による場合」について、会社として不可抗力を主張し得ないすべての場合と広く解釈している。
よって、従業員は、民法第536条第2項の規定により休業中の賃金を請求することもできるが、労働基準法に基づき最低でも平均賃金の6割の休業手当を受けることができる。

・賃金支給率は、90%前後が一般的。

Q:労働協約や労使協定や就業規則に60%と決まっていたらどうか。
A:




 その他詳細につきましては


緊急連絡先
 TEL 052−990−6633
 TEL 052−990−6699



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